« 分子矯正医学って? | トップページ | 植物園にいってきました »

2005年5月20日 (金)

化学物質過敏症患者会に参加して

97年から年1回開かれている会合で、今回は8回目。
厚生労働省では「シックハウス症候群」という病名は認められたものの、いまだ「化学物質過敏症」(CS,もしくはMCS)というものの存在を認められていない。
現在国はシックハウス症候群の診療施設を全国に整備している。そのうちの一つ国立相模原病院の臨床環境医学センターから長谷川医師が講演した。
超清浄空気に保たれたセンターでの診療の様子、保険医療の限界などについてお話された。これはいつものとおりといった感じを受けたが、面白かったのは、CS患者さんの静脈血には酸素が多くのこっているというものだった。本来なら動脈で運ばれた酸素は末端でエネルギーとして使われ、静脈の血は酸素が少なくなっているのが普通なのに、患者さんの静脈はまるで動脈のように酸素を残しているというのだ。これは、おそらく末端細胞での酸素のやり取りがうまくいっていないことを示しているのではないかと先生は話していた。患者さんの多くが尋常でなく冷え性であることの理由を一つ見つけたような気がした。

また東京共済病院の乳腺外科部長の馬場紀行医師の発表では、医師としてはじめて接したCS患者に施した乳がんの外科手術の難しさを知った。なにせ麻酔や消毒がだめなので手術はとても難しいのだ。よく私も患者さん達からその話を聞くので、「CSになったら、他の病気にはなれないわね」などと冗談めいたことを言っていた。この医師はとても率直に自分の知らないCSという症状と向き合い、いろいろな情報を掻き集め、この女性患者のために最善を尽くそう動いたこと、他の医師もどんなに知らない症状であっても常に患者の言葉に耳を傾けることの大切さを訴えていた。 ちなみに麻酔につかえるのは、現代のものではなく、過去の遺物となっているいわゆる麻薬とのこと。縫い合わせる糸は、絹糸。あらゆる「余分な」プロセスを排除して行われた手術は成功し、患者さんも元気にしておられた。
じゃあ、普通の人にも「余分な」ことをしなければいいのに。現代の過剰医療の一面を見た気がしました。

他、さまざまな患者家族からの相談が出てきたが、お医者さんが治せない状況の中、患者さんたちは建物や食べ物をなんとか工夫するしか日々をすごす手立てがない。それが第1回の会合から何等変わっていないこと、さらに、発症する人の年齢が下がっていることを感じた。私達建築分野で改善できることには限界があるし、最善を尽くしてやってみても、患者さんの体調によっては住めていた場所に住めなくなることも起きる。
ただ、今までのような建築の建材を使い続けていれば、必ずCS患者は増えてしまうと思うので、自然の摂理にあった住まいのあり方をこれからも実践していくことが、私達の唯一できることと思う。

|

« 分子矯正医学って? | トップページ | 植物園にいってきました »

ケンチクと環境」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 化学物質過敏症患者会に参加して:

» シックハウス症候群 [三四郎日記]
ウチの大学(院)では今、「シックハウス」が大きな問題となっています。 「シックハウス問題」とは、住居や建物などが原因となって、人体に悪影響を及ぼすケースが近年 目立ってきているという問題です。具体的には「化学物質過敏症」を発症してしまうケースがほとんどのようです。 院生の研究室などが入る建物(仮に院生棟と呼ぶことにします)を去年立て替えたのですが、すくなくない院生が「化学物... [続きを読む]

受信: 2005年5月21日 (土) 21:13

« 分子矯正医学って? | トップページ | 植物園にいってきました »