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2010年7月30日 (金)

多摩川源流の村

多摩川源流の一つ、小菅川の流れる村、小菅村へ行ってきました。
大菩薩峠などの山々に抱かれた、水が豊富で温泉も湧く自然いっぱいの村です。

私が丁稚のころからとてもお世話になり、
長年多摩川や野川などの流域の自然や文化に深く関わってこられた
建築家神谷博さんを通じて、この村とご縁を持つことができました。

針葉樹が中心の奥多摩の山ですが、
植林できないような場所にはたくさんの広葉樹があります。
自然の営みのなかで倒れたりしてしまった広葉樹を
村のNPOのみなさんが木材としてなんとか生かせないものかと
製材加工に試行錯誤しているとのことでした。

小菅村は山梨県になりますが、水系でいうと多摩川に注ぐため、
東京の大切な水源地となっています。
よく、○○県の材料で家を建てようという話を聞きますが、
自然の目で見ると、そんなにきっちりと線引きする必要はないのかもしれません。
昔は材木を運ぶ手段は川でしたから、
流域ごとに見ることは、ごく自然なような気がします。

私のいる国立市はちょうど多摩川の中流域。
小菅の清らかな源流の水がここまで届いていることを想像すると、
壮大な(?)つながりを感じます。

神谷さん、村のNPOのみなさんと、自然乾燥中の材木を前にハイチーズ。Kosuge3

Kosuge4

今回の木は、シオジ。
タモに似た、白っぽく木目のはっきりした美しい材。
渓谷沿いに自生する木で、30mにもなるそうです。
このシオジは、沢に自生していて、自然に倒れていたもの。
ただでさえ急峻な多摩の山。
引き上げるだけでも、どれほど大変だっただろうかと想像します。

どんなものが出来上がるか、今から楽しみです。

Kosugesioji1

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2010年7月10日 (土)

いぶし瓦を葺きました

Tonton_6


先月、上棟した現場です。
埼玉で土にこだわっていぶし瓦を焼き続けている瓦の窯元の和瓦です。
粘土の練り合わせ、寝かせ、焼き、いぶしかけのそれぞれの工程一つ一つが瓦の良しあしを決めていく、
そんな窯元のおやじさんの顔もいぶし銀に輝いています。
関東では現在窯で瓦を焼いているところはほとんどなくなっています。
けれども昔から、もともと重い粘土瓦は長距離運搬できなかったため、
地元で作られ、地元で使われたものでした。
高度成長期に作っただけ売れた時代、品質よりも安さと量を求められ、瓦の品質が落ちたのだそうです。
それでもこだわって手を抜かずにきたおやじさんは今も瓦を焼き続け、
次の代の息子さん達も立派な瓦職人となっています。

今は文化財の仕事が中心だそうですが、こうして普通の家に瓦を葺くのを楽しそうにしてくれました。

ところで写真を見るとわかりますか?
瓦の下に敷かれているのは、杉の薄板です。
杮(こけら)葺きの仲間で、関東ではトントン葺きといいます。
杉の板を重ね合わせて防水層を作っています。
一般の家で使うことはめったにありませんが、瓦にもっとも相性のいい下葺き材ではないかと思います。

アスファルトをしみこませた「アスファルトルーフィング」が一般的ですが、
これだと20年ほどで防水効果がなくなってしまいます。
ルーフィングは完全に水をシャットアウトするのですが、
温度変化や蒸れなどで劣化しだすと非常にもろく、水漏れを止めることができなくなるからです。

瓦は隙間だらけの構造。下に水が入ることを前提として、水が入ってもトントン葺きが水を吸っては瓦の隙間風ですばやく乾くことをくりかえし、非常に長い耐久性をもちます。

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