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2010年10月16日 (土)

いのちの林檎 上映会にいってきました。

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化学物質過敏症の娘さんとお母さんの放浪を追ったドキュメンタリー映画「いのちの林檎」を観に行きました。

新築の家で暮らし始めてから、それまで元気そのものだった娘さんの人生が変わっていきます。
芳香剤や農薬、シャンプーなど、ありとあらゆるものに反応して呼吸困難に陥ります。

最後に水すら飲めなくなったときに出会ったのが無農薬・無肥料でつくられた青森・木村さんの林檎だったという内容の映画でした。

2時間の長さを覚悟して行きましたが、木村さんのまるでムツゴロウさんのような素朴な明るい語り口や、
過敏症の早苗さんの悲惨な現状でも笑顔を絶やさない様子、母親との楽しげなやり取りなど、
あっという間に時間が過ぎ、つらい中にも強い希望を感じさせる映画でした。

映像を観ながら、今までご縁のあった患者さんたちのことを思い出していました。
行く場所がなくて、必死の思いで避難先をさがしている人、
理解のないアパートの大家さんに出て行けと言われて地方にかろうじて逃げ場所を確保できた人、
明け方に着の身着のままでうちの店に避難してきた人、
職場で発症して、仕事を辞め、山の中で半分テント暮らしをしている若者、
避難先と自宅とを往復する生活を続けながら、なんとか仕事を続けている女性・・。

たいてい古家を探すのですが、古い家は芳香剤やシロアリ駆除剤を長年撒いていることもあり、なかなか簡単には見つからないのです。
見つかっても近くの家でシャンプーを使われたら、もう住めなくなってしまうわけです。

最重度の人は、早苗さんのように木の家に住むことすらできません。
木材、とくに杉やヒノキなどの針葉樹はテルペン類等を含んでいるので、その天然成分に反応してしまいます。

早苗さんはオーガニックコットンの衣服を着ていましたが、オーガニックコットンは綿花に含まれる油分を取り除かないため、その油分のにおいに反応してしまう患者さんが多いので、おそらく早苗さんも何回、何十回と洗ってから着ることができているのだろうと想像しました。

転地してテストした材料だけで家をつくって、元気に暮らしている人もいますが、
自分の耐えられる場所を探しだし、しかも家を建てられる人は多くはありません。
ここなら!と選んだ土地に建て始めたら、周りに家が建ってしまい、いられなくなった人もいます。
「何年かぶりにぐっすり眠ることができました」という言葉を聞いたあとだっただけに、
やりきれない、無力感を感じたこともあります。

建築で避難する箱をつくることはできても、周りの空気をよくしなくては根本的な解決にならない・・。
過敏症の相談を受けるたびに、自分の無力を感じてがっくりきますが、
けれどもできることはたくさんあるぞ!とパワーが湧いてくる、そんな映画でした。
製作してくださったみなさん、ありがとう!!

10年ほど前だったと思いますが、ドキュメンタリーではないのですが、過敏症のことが映画化され、渋谷で上映されました。
アメリカ映画で「SAFE」という題でした。
リッチな生活をしているマダムが新しい家に新しい家具をそろえていくのですが、
突然鼻血を出したり、倒れたりするようになります。
そのうちに、仲間のリッチなマダム達の香水等に耐えられなくなり、コミュニティから孤立していきます。
そして最後にたどりつくのが、砂漠の中に共同生活をしている怪しい新興宗教団体・・・。
という映画でした。

今もそのときのパンフレットがありますが、社会的に孤立した人が取り込まれていく様子が描かれていて、怖いと思った記憶があります。
身近なコミュニティーから弾き飛ばされがちな化学物質過敏症の患者さんたちを温かく受け入れる地域づくりも大切だなあと感じました。 

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